拠点概要

EES神戸とは

21世紀の東ユーラシアにおけるウェルビーイング(持続的な安定)を「少子高齢化」がもたらす社会変動、文化の変化の観点から解明します。

本拠点は、人間文化研究機構によるネットワーク型基幹研究プロジェクト「グローバル地域研究推進事業」として計画された4つの地域研究プロジェクト「グローバル地中海地域研究」「環インド洋地域研究」「海域アジア・オセアニア研究」「東ユーラシア研究」のひとつを担う研究拠点として神戸大学国際文化学研究推進インスティテュート(Promis:Research Institute for Promoting Intercultural Studies)に設置されました。

神戸大学研究拠点では、東ユーラシア地域の中で特に東アジア諸社会における社会変動と、それが域内外に与える諸現象について「少子高齢化とその葛藤」の問題を中心に、総合的かつ包括的な研究を進めていきます。

21世紀を迎え、東アジア諸社会に共通する問題として、少子高齢化などの人口変動の現象が社会・文化・自然環境など広範で深刻な影響を与えつつあります。日本、韓国、北朝鮮、中国、ロシア、モンゴル、台湾などの諸社会・地域では、グローバリゼーションの影響が強まる中で、少子高齢化、越境と移住労働、トランスボーダーなどの現象が連動し、ミクロレベルからマクロレベルまでの葛藤や社会変化が起きています。神戸大学拠点では、まずは、その実態を捉えようと、具体的なトピックを設定し、多様な角度から問題群を考察していきます。少子高齢化の問題は、単なる人口変動の問題だけではなく、東アジアにおいて家族関係を基盤とする儒教的価値観に基づくコミュニティや社会を構築してきた歴史があるため、これがもたらす葛藤はそれぞれの社会において深刻な事態をもたらしつつあります。

この問題は、それぞれの社会にとどまるものではありません。少子高齢化の現象はこの社会、地域を越え、グローバルに大きな影響を及ぼしつつあることに注目します。すなわち移住労働や国際結婚、あるいは労働力、市場確保のための経済政策などによる経済進出や生産部門の設置による人の移動など、域内の他社会(北朝鮮、中央アジア諸社会、東南アジア大陸部)にも影響を与え、さらには東ユーラシア地域を越えグローバルな葛藤をもたらす要因のひとつとなりつつあります。

本研究拠点では、従来の空間的枠組みにとらわれず、地域を超えた諸問題と地域の相互作用や地域における比較などにも人文社会系の総合知といった観点から、学際的なアプローチで取り組みます。そこから得られた知見を踏まえ実社会との共創に基づく、人びとの生活に対する貢献を模索していきたいと考えています。

コアテーマと5つのグループ構成

EES神戸組織図

各グループの概要