イベント

2024.2.1.「テクノロジーとモビリティの拡張による距離と境界の再構築:空間・身体・イデオロギー」ワークショップ

日時

2024年2月1日(木)15:00〜17:00

場所

神戸大学国際文化学研究科A棟4階中会議室

ZOOM配信あり ハイブリッド開催

プログラム

発表1

鈴木亜望(神戸大学)

「SNSは移動と空間をどのように変えるのか:バングラデシュのヒジャビ・ライダーの事例から」

インターネットが普及し、IoTやAIといったさまざまなデジタル技術が日常に入り込んできている。なかでもSNSは個人が携帯端末を使って世界中の人々とつながることを容易に可能にしたという点で、私たちの生活を著しく変化させた。SNSの特徴は、デジタルメディアの中でも、「リアル」な空間では出会うことがなかった人を結びつけることである。コミュニティを新たに作り出したり、あるいは既存のコミュニティのあり方を変容させる可能性がある。また、携帯端末とインターネット環境さえあれば、人々が時空間を超えてつながることが可能であり、人々の移動の仕方をも変容させうる。本発表ではコミュニティとそれを通じたコミュニケーション、および人々の移動のあり方について、SNSを通じてどのように取り結ばれているのかを検討する。具体的には、バングラデシュのとあるバイクライダーの女性の事例を検討する。彼女は、ヒジャブをつけてバイクに乗り、バングラデシュ全土を旅している。こうしたセンセーショナルな姿が受けて、Facebook上で拡散されている。SNSを利用したコミュニティあるいはネットワークの形成が、ジェンダー規範にどのような影響を与えているのかを検討する。

コメンテーター 小川さやか(立命館大学)

発表2

李 眞恵(立命館大学)

「フィールド・ワーク報告:旧ソ連におけるコリアン・ディアスポラ(コリョ・サラム)の帰還移住の現況と多文化共生の課題」

本調査は、ディアスポラはなぜ歴史的「故郷」に再移住するのかという問いから始まった研究の一環として、コリョ・サラムの中央アジアから韓国への移住事例を中心にディアスポラの歴史的故郷への帰還移住を調査し、受入社会への統合と多文化共存の移行を把握することを目的とする。特に本報告は、上記の目的を達成する過程で勃発したウクライナ戦争以後、同国出身のコリョ・サラムが韓国に移住することによって、彼ら/彼女らは韓国でどのような法的地位に包摂されているのかに疑問を持ち、2023年2月から3月まで韓国で行ったフィールド・ワークを中心に韓国の移住民と受容の現況について調べたことである。さらに、今後、本調査をもとにコリョ・サラムの帰国に伴う法的地位と受け入れに対する政策的かつ実践的側面を分析することにより、コリョ・サラムの帰国後の定着に焦点を当てて、帰還と定着が韓国社会の統合が進展を意味するのか、進展の障害となるものは何かについて検討することで、彼ら/彼女らの帰還・定着・統合に向けた課題を導出したい。

コメンテーター 崔紗華(同志社大学)

申し込み方法

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当日の対面参加も歓迎します!

共催:神戸大学国際文化学研究推進インスティテュート(PROMIS)