日時
2024年9月24日(火) 14:00 ~ 17:00
開催形式
対面とオンラインのハイブリッド方式での開催
会場
南山大学人類研・宗文研棟2階会議室
概要
本研究会では、「人びとの移動と生活・儀礼祭祀の実践の変容」をテーマとして、まず、竹内愛氏が、ネパールにおける若者の海外出稼ぎによる家族関係、コミュニティにおける儀礼祭祀への影響と変化を分析し、女性自助組織が新たな役割を担っている事例を報告する。続いて、竹田響氏が、在日朝鮮人の日本と南北の朝鮮半島に跨る親族関係の変容、特に墓を巡る問題に関して報告する。
プログラム
ごあいさつ
14:00-14:05
武庫川女子大学 野上恵美
研究発表
発表1
14:05-14:55
南山大学 竹内愛
ネパール、古都パタンにおける若者の海外出稼ぎによる家族・コミュニティの生活・儀礼祭祀の変容と女性自助組織の果たす新たな役割
14:55-15:05 事実確認の質疑応答
発表2
15:20-16:10
京都大学 竹田響
在日朝鮮人の国境を跨いだ親族関係―人びとの移動と墓を巡る問題に着目して
16:10-16:20 事実確認の質疑応答
コメントと総合討論
16:20-16:40
研究発表1と2に対するリプライ
金沢大学 前野清太朗
16:40-17:00
総合討論
発表内容
竹内愛氏は、ネパールにおける若者の海外出稼ぎトレンドによって、家族関係やコミュニティが変容していることに注目し、カトマンズ盆地の古都パタンにおける事例を報告する。ネパールでは、若者の海外出稼ぎが盛んになり、母国に残る家族は海外からの仕送りを受けて生活水準が向上している。一方で、老親の介護の人手不足の問題や伝統継承の機会の消失等の問題が発生している。パタンでは、1990年代から各地に女性自助組織が形成されており、コミュニティ活動を積極的に実施してきた。現在、メンバーの女性たちが若者不在の状況をどのように補完しているのか分析し、考察を行う。
竹田氏は、日本と朝鮮半島の南北に拡がる親族関係について、特に墓を巡る問題に着目して研究発表をする。在日朝鮮人の9割以上は朝鮮半島南部の出身であるが、1959年~84年にかけて行われた「帰国事業」によって10万人弱の人びとが朝鮮半島北部に移動し、これによって親族の離散が大韓民国、日本、朝鮮民主主義人民共和国の三か国に拡がった。在日朝鮮人の1世、2世が亡くなる中で、親族内における墓を巡る問題が生じている。親族内における葛藤について、考察を行う。
申し込み方法
対面およびオンラインでの参加をご希望の方は、開催日1週間前を目安に、野上恵美(eminogami(a)yahoo.co.jp)までご連絡ください。
主催:東ユーラシア研究プロジェクト(EES)神戸大学国際文化学研究推進インスティテュート拠点、共催:南山大学人類学研究所