イベント

シンポジウム:情動、身体、生命―たちあがる協働性を読み解く

日時

2025 年2 月28 日(金)13:00~18:00

開催方法

対面とオンラインのハイブリッド(ただし録画の配信は行いません)

対面会場

神戸大学鶴甲第一キャンパスE 棟4 階大会議室
(アクセス:http://web.cla.kobe-u.ac.jp/access)

オンライン参加申込

https://forms.gle/5Y5H21mWAwt1LbocA
オンライン参加を希望される方は2025 年2 月25 日までに上記フォームからお申し込みください。前日までにZoom リンクをお送りします。対面参加される方は事前申込不要です。

企画趣旨

 本シンポジウムは、情動の動きに注目し、生態学的環境と身体の相互作用によって協働性が生成される様相を明らかにすることを目的とする。本企画で扱う身体は、人間の身体にとどまらず、非生物や生まれる前の生命も含む。情動とアフォーダンスに関連する理論を用いるこの試みは、生態学的環境との相互作用によって愛・運動・いのちが立ち現れるプロセスを明らかにし、「(非)家族的なつながり」について既存の研究とは異なる切り口から検討することも射程に入れている。

プログラム

趣旨説明

13:00~13:15

澤野美智子(立命館大学)

発表

13:15~14:15

発表1 黄信者(立命館大学)
「家族・愛」をアフォードする―郭林気功における技術と情動
 本発表では、郭林気功を中心とした中国の民間抗がん団体における実践を、家族関係の形成および情動の生成・変化という観点から考察することを目的とする。具体的には、郭林気功の技術的側面と、それが実践される環境アフォーダンスについて詳細に記述・分析することで、がん患者が経験する「死への恐怖」から「生への希望」へという情動の変容過程を明らかにする。また、こうした情動的経験が疑似家族関係の構築にどのように寄与し、がん治療においてどのような役割を果たしているのかを解明することを目指す。


14:20~15:20

発表2 陳宣聿(東京理科大学)
デモの情動と行動―日本のマーチフォーライフの展開と変容をめぐる力学
 本発表は日本における胎児の生命尊重を唱えるデモ活動、「マーチフォーライフ」の力学を検討するものである。胎児の生命尊重を理由に、人工妊娠中絶への制限の強化を主張する動きは、日本において1960 年代~1980 年代に遡ることができる。しかし、前記のような明確な主張を持つ運動形態と異なり、2014 年から始まったマーチフォーライフは多義的な様相を呈している。本発表は、社会環境にある「デモ」というツールに目を向け、時系列でマーチフォーライフの生成と変容を検討する。それを通して、胎児の生命尊重を前提にし、異なる主張を持つ参加者(参加団体)が触発された情動、そういった情動を捕獲し、意味付けと運動の方向を左右する行動に変貌する過程を描き出す。


15:25~16:25

発表3 澤野美智子(立命館大学)
関係を生み出す環境と情動―ぬいぐるみの「いのち」のありかを探る
 ぬいぐるみを家族として暮らす人びとは、ぬいぐるみに触れることやぬいぐるみのにおいをかぐことなどを習慣的に行っている。ただし身体コミュニケーションは一方向的なものではない。ぬいぐるみのアクションを知覚し、ぬいぐるみを主体性のある「いのち」あるものと認識して、双方向的で親密なやりとりを成立させている人もいる。本発表は、ぬいぐるみが生態学的環境の中で「いのち」あるものとして立ち現われるしくみを明らかにすることを目的とする。

コメント

16:30~16:40 コメント1 野々村伊純(東京大学)

16:40~16:50 コメント2 飯嶋秀治(九州大学)

16:50~17:00 コメント3 深川宏樹(神戸大学)

全体討論

17:00~18:00

問い合わせ先

澤野美智子 sawano(a)fc.ritsumei.ac.jp (メールを送信される際は(a)を@に変換してください)

共催:人間文化研究機構グローバル地域研究事業 東ユーラシア研究プロジェクト神戸大学拠点、科学研究費基盤研究(C)「「家族であること」のリアリティを読み解く:アフェクト論を用いた家族研究」(代表:澤野美智子、課題番号:JP22K01086)