趣旨
二十一世紀の技術進歩、とりわけデジタルメディアの発達によって私たちはこれまでの人類史の蓄積をはるかに上回る量の記録(レコード)を抱え込むことになった。技術の進歩はアーカイブをナショナルな媒体という枠組みから解き放ち、グローバルな記録の共有、あるいは逆により具体的なコミュニティに即した記録(レコード)の保存の可能性を広げてくれるものであった。一方で、選別と忘却によって過去を集合的に継承する私たちの記憶(メモリー)のあり方そのものは大きく変化をしていない。ナショナルな記憶(メモリー)の枠組みは、むしろデジタル化されない記録(レコード)の媒体たるモノの保存に限界を突き付けてさえいる。かつては見えない過程であった過去の選別と忘却が、未来への「リスクテイク」のため目に見える形で迫られるようになってしまった。増え続けるグローバルな記録(レコード)の大波にさらされながら、ナショナルな記録(メモリー)の保持のあり方を乗り越え、人々はいかなる形式によって未来へと過去をつないでいくことが可能なのか。本研究会では、縮小し移動し流動する未来に対し、遺し/つなごうとする現代の取り組みから考えてみたい。
日時
2026年10月18日(日)13:30-16:00
場所
ハイブリッド形式で実施
現地会場
〒920-0907 金沢市青草町88番地 近江町交流プラザ4階研修室2
近江町市場エレベーターにて4階までお上がりください。
現地飛び入り参加も歓迎いたしますが、お席に限りがありますので、申込者多数の場合は対面参加を制限させていただく場合がございます。
プログラム
趣旨説明 13:30-13:35
説明者:前野清太朗(グローバル文化・社会研究センター)「『蓄積の危機』のなかで」
報告1 13:35-14:00
報告者:上水流久彦(県立広島大学)
タイトル:植民地経験の記憶の継承を考える 共有遺産と対立遺産を補助線に
報告2 14:05-14:30
報告者:西川慧(石巻専修大学)
タイトル:東北に住むムスリムたちのライフヒストリー
報告3 14:35-15:00
報告者:久保豊(グローバル文化・社会研究センター)
タイトル:現代日本における性的マイノリティの歴史継承に向けたアーカイブ実践と課題
総合討論 15:10-16:10 司会 落合知子(摂南大学)
コメント 前野清太朗、野上恵美(武庫川女子大学)、上水流久彦
主催・共催
金沢大学人間社会研究域附属グローバル文化・社会研究センター グローバル・レジリエンス部門
人間文化研究機構グローバル地域研究推進事業 東ユーラシア研究プロジェクト(EES)神戸大学国際文化学研究推進インスティテュート拠点「人口減社会における越境・家族・国家」ユニット
協力:JSPS科学研究費補助金(基盤B)「植民地遺産の消費文化化に関する比較研究
―日本の旧支配地域にみる記憶の継承と忘却」(代表者:上水流久彦、23K25437)
お問い合わせ
前野 清太朗 s-maeno [at] staff.kanazawa-u.ac.jp